「今日のデート、いくらかかるんだろう」——会計のたびに、財布よりも先に気持ちがざわつく。奢るべきなのか、割り勘を切り出していいのか。正解が見えないまま、なんとなく毎回自分が多めに出している人は少なくありません。
この記事では、実際の調査データをもとにデート代の平均相場を1回・1ヶ月・年代別に整理したうえで、社会人カップルが実際にどう支払っているのかを紹介します。男女それぞれの本音と、お会計で気まずくならないためのルールづくりまで具体的にまとめました。
デート代の平均相場はいくら?1回・1ヶ月の目安
まずは金額の全体像から。感覚ではなく数字で相場を知っておくと、「自分は使いすぎなのか」という不安がかなり減ります。
1回のデート代の平均は12,491円
MoneyGeek編集部がパートナーのいる独身男女1,000人に行った調査では、1回あたりのデート代の平均は12,491円という結果が出ています。2023年8月に実施されたもので、全国が対象です。
内訳で最も大きいのは食事代で、全体の62%が「一番大きな出費は食事代」と回答しました。次いで遊興費が14%、宿泊費が11%と続きます。つまりデート代の大半は「どこで何を食べるか」で決まるわけです。
興味深いのは、デート頻度との関係です。同じ調査では、週1回のペースで会っているカップルの6割以上が1回1万円以下に収まっていました。会う回数が多いほど、1回あたりは自然と軽くなる傾向があります。
1ヶ月のデート代は1万〜3万円が中心
月単位ではどうか。20〜30代の男女を対象にした2024年の調査では、月々のデート費用について男性の48%が「1万円〜3万円」と回答し、次いで「5千円〜1万円」が35%でした。
女性は「5千円〜1万円」と「1万円〜3万円」がそれぞれ34%で並んでいます。男女ともに、月3万円以内に収めている人が大半という結果です。
一方で同じ調査では、デート費用が家計を圧迫していると感じる人が男性で45%、女性で35%にのぼりました。相場に収まっていても、負担感を抱えている人は半数近くいるということになります。
大学生・社会人・年代別の違い
年代別に見ると、1回あたりの平均が最も高いのは40代で14,952円。最も低い20代は12,363円で、その差は2,589円ほどにとどまります。収入が上がっても、デート代が青天井に増えるわけではないようです。
学生と社会人の差のほうが大きく、大学生の場合は1回あたり3,000〜5,000円程度が中心という調査が目立ちます。学食やカフェ、公園といった低予算のデートが選ばれやすいためです。
| 区分 | 1回あたりの目安 |
|---|---|
| 大学生 | 3,000〜5,000円 |
| 20代 | 約12,400円 |
| 30代 | 1万円台前半 |
| 40代 | 約15,000円 |
| 全体平均 | 12,491円 |
社会人になると外食のグレードが上がり、交通費や宿泊費も加わるため、金額はおよそ2〜3倍に跳ね上がります。学生時代の感覚のまま社会人デートに突入すると、月の出費に驚くことになりがちです。
【20代後半】毎月2〜3万円のデート代で生活費を圧迫。彼女の前でカッコつけたくて自分の昼飯代を削ってでも多めに払ってしまう。
こうした無理は長続きしません。だからこそ、次に見る「支払い方のパターン」を早い段階で決めておくことが大切になります。
社会人のデート代、実際どうしてる?支払いパターン別のリアル
「社会人はどうしてるんだろう」という疑問に、調査データで答えます。結論から言えば、支払い方は大きく3パターンに分かれます。
男性が多め・全額を負担するケース
先ほどの20〜30代調査では、交際中の相手とのデート代について、男性の合計71%が「男性が多く払う、もしくは男性が奢る」と回答しています。実態としては、いまも男性が多めに出すケースが多数派です。
背景には、男女の手取り収入の差もあります。同じ調査で最も多かった月収帯は、女性が10万円以下、男性が20万〜25万円でした。単純な公平さだけでは割り切れない事情があるということです。
特に婚活や交際前の食事では、男性が全額を持つのが暗黙のルールになっている場面もあります。「必要経費」と割り切って払っている人も少なくありません。
【30代前半】「男がデート代を奢るのは当たり前」という感覚が抜けず、初デートは全額奢りたい。
割り勘にするケース
一方で、割り勘を選ぶカップルも確実に増えています。同じ調査で「支払いはどうする?」と聞いたところ、女性の52%が「割り勘」と回答。男性の27%を大きく上回りました。
さらに「正直、相手に奢ってほしいか」という本音の質問では、男性の57%が「割り勘がいい」と答えています。男性側の理想は割り勘、でも実際には自分が多く出している——このギャップが、モヤモヤの正体です。
【20代前半】お互い働いているのになぜ男性ばかり奢るのか納得いかない。対等な関係で割り勘に大賛成。
相手の状況によって考え方を変える人もいます。年下の相手なら全額出すが、自分より稼いでいる相手なら出してほしい、という声も現実的な本音でしょう。
交互払い・誘った方が払うケース
3つ目が、回ごとに払う人を交代する方式です。今日は自分、次は相手というシンプルなルールで、1円単位の計算が不要になるのが最大の利点です。
「デートに誘ったほうが払う」というルールを採用しているカップルもいます。誘う側にコストが乗るぶん、お互いに誘い合うバランスが自然と生まれるという効果もあります。
【20代前半】「交代制」が気楽。カフェ代は自分、メインの食事は彼、というようにデートごとに分担し、次のデートに自然につながる。
この「次につながる」という感覚は見逃せません。支払い方は、次に会う口実にもなるわけです。
男性の本音「奢りたいけど、正直キツい」
数字の裏にあるのは、言葉にしづらい葛藤です。ここでは男性側のリアルな声を見ていきます。
見栄と金銭的負担の板挟み
好きな相手には格好をつけたい。でも財布は有限です。先ほどの調査で「デート費用が家計を圧迫している」と答えた男性が45%にのぼったのは、この板挟みの結果でしょう。
深刻なのは、負担を回すために会う回数そのものを減らしてしまうケースです。
【20代後半】毎回全額奢るのはキツいが、好きな彼女には奢ってあげたい気持ちが強いので、結果的にデートの頻度を減らして出費を調整している。
会いたいのに会えなくなるのは、明らかに本末転倒です。金額を落として頻度を保つほうが、関係にとってはずっと健全といえます。
また、会計時の押し問答を避けたくて全額出す、という人もいます。気まずさへの対価として払っているようなもので、これも長くは続きません。
割り勘を切り出すタイミングが難しい
「割り勘にしよう」の一言が、なぜこれほど言いにくいのか。理由はシンプルで、ケチだと思われるのが怖いからです。
【20代後半】「割り勘にしよう」「共同財布を作らない?」と自分から切り出すのが気まずく、ケチな男だと思われそうで踏み出せない。
さらに、切り出し方を誤ると関係そのものに影響することもあります。交際前の段階でいきなり割り勘にした結果、連絡が途絶えたという声もありました。
ただし、真剣交際に入ってからは話が変わります。将来家計を共にすることを見据えて、少しずつ分担へ移行していくという考え方は、多くの男性が自然にたどり着く結論です。
【20代後半】ずっと無理して全額奢っていたら、彼女から「なんでも自分で出しちゃうし対等じゃない」と言われショックを受けた。
奢り続けることが、必ずしも相手の望みとは限らない。この視点を持てると、切り出すハードルはぐっと下がります。
女性の本音「奢られっぱなしは申し訳ない」
では、受け取る側はどう感じているのか。ここを知らないまま自己判断で払い続けると、思わぬすれ違いが生まれます。
対等な関係を望む声
「奢ってほしい」という気持ちがある一方で、奢られ続けることへの罪悪感を抱えている人は多いのが実情です。
【20代前半】毎回全額奢ってもらうのは申し訳なく、罪悪感を覚える。「奢ってもらおうと思って来た」ような図々しい女だと思われたくない。
【20代後半】自分も社会人として働いているので割り勘で全然いい。対等な方が精神的に心地よい。
面白いのは、罪悪感を別の形で埋め合わせようとする動きです。レジ前での割り勘は避けつつ、駐車場代やカフェ代、ドライブのガソリン代を負担するといった工夫がよく聞かれます。
【20代後半】奢られっぱなしの罪悪感から、ドライブのガソリン代や高速代を率先して出したり、コーヒーの差し入れや手土産でバランスを取る。
つまり、食事代だけを見て「全部自分が出した」と思うのは早計かもしれないということです。細かい部分で相手が支えているケースは意外と多くあります。
会計時の振る舞いに感じるモヤモヤ
金額そのものより、払い方の一貫性に敏感な人が多い点は覚えておく価値があります。
【20代後半】見栄で高い店を予約しておいて後からきっちり請求してくる男性に冷める。カジュアルな店で全部奢ってくれる方がずっと嬉しい。
【30代前半】2500円のカフェ代で「1000円でいいよ」と細かく請求され、数百円の回収なら全部払ってほしいと感じた。
初デートで1円単位まで割り勘にされ、「窮屈そう」と感じて次の誘いを断ったという声もあります。店選びと支払い方がちぐはぐだと、そこにギャップが生まれるわけです。
もう一つ多いのが、途中でルールが変わることへの不安です。付き合いたては多めに払ってくれたのに、安定してから急に1円単位で折半され、気持ちが冷めたのかと不安になった——というケースです。
変えるなら、変える前に話す。 これだけで防げるすれ違いは相当あります。
お会計で気まずくならないために決めておきたいこと
ここからは実践編です。ポイントは「その場のノリ」ではなく、事前に決めておくことにあります。
割り勘を切り出すときのスマートな伝え方
避けたいのは、会計の瞬間に初めて切り出すこと。相手は心の準備ができておらず、金額の話が「拒絶」に聞こえてしまいます。
おすすめは、店を決める段階で予算感を共有するやり方です。「今日はカジュアルに行こう」「今月ちょっと締めてるから、次に美味しいとこ行こう」といった伝え方なら、金額の話が自然に会話へ溶け込みます。
また、いつも割り勘にするのが申し訳ないと感じるなら、記念日や誕生日だけは自分が持つ、と決めておくのも手です。メリハリがあれば、日常の割り勘は気になりません。
【20代前半】割り勘でいいと言ってくれる女性は気を使わせない配慮が伝わって好印象。ただいつも割り勘は申し訳ないので、たまに全額払ったり記念日はご馳走したりバランスを取る。
支払い方は「愛情の量」ではなく「二人の運用ルール」です。そう位置づけて話し合えば、気まずさはかなり減ります。
多めに払うときのスマートな振る舞い
多く出す側にもコツがあります。細かく計算しないこと、これに尽きます。
【20代前半】1円単位で計算せず「お釣りはいいよ」とサラッと多めに出してくれるのがスマートで好印象。
2,000円台の会計で数百円を回収しようとすると、金額以上に「細かい人」という印象が残ります。回収する額が小さいほど、割に合わないと考えたほうがいいでしょう。
逆に、相手から「今日は割り勘にしよっか」と言われたときは、素直に受け取るのが正解です。給料日前に気遣ってもらえて救われた、という声も実際にあります。受け取る側の余裕も、対等な関係の一部です。
共同財布・精算アプリでスマートに管理する
毎回その場で判断するのが面倒なら、仕組み化してしまうのが最も確実です。
共同財布のメリットと注意点
共同財布とは、二人で一定額を出し合い、デート代はそこから支払う方式です。レジ前のやり取りが消え、月のデート代も可視化されます。
金額は同額でなくても構いません。年齢や収入差を考慮して「彼が2万円・自分が1万円」といった比率にしているカップルもあります。比率を話し合うこと自体が、金銭感覚のすり合わせになります。
【30代前半】共同財布で月のデート代が明白になり、使いすぎた月は後半をお家デートなど低予算プランに調整できるようになった。
一方、注意点もあります。現金の共同財布はルールを決めずに始めると失敗しやすいのが実情です。誰がいくら使ったか分からなくなった、財布を持ち歩くのが面倒で片方に管理を任せきりになり不公平だと言われた、といった声が挙がっています。
始める前に、①毎月の入金額、②何に使ってよいか、③余ったお金の扱い、この3点だけは決めておきましょう。余剰分を旅行や将来の貯蓄に回すルールにしているカップルも多くあります。
主な精算・共有アプリの特徴
現金の共同財布が面倒なら、アプリで代替できます。目的別に整理すると選びやすくなります。
| サービス | 向いている用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| Walica | 立て替えの精算 | 登録不要・リンク共有で完結 |
| Kyash | 少額の送金・共有 | 共有口座に入金し直接決済 |
| ワンバンク(旧B/43) | 共同財布の代わり | ペア口座+Visaプリペイド |
| OsidOri | 家計の共有管理 | 個人ページと共有ページを分離 |
Walicaは立て替え額を入力するだけで、誰が誰にいくら払えば精算完了かを自動計算します。共有リンクを送るだけで使えるため、貸し借りが曖昧になりません。
Kyashの共有口座は2021年に登場した機能で、パートナーと残高や支出をリアルタイムに共有できます。1円単位で入出金でき、共有口座の残高からそのまま決済も可能です。
ワンバンクは家計管理アプリ「B/43」が2025年3月に名称変更したサービスで、ペア口座を開設するとVisaプリペイドカードで二人の支出を管理できます。使う目的別に分ける「ポケット」機能があり、旅行資金なども別枠で貯められます。
OsidOriは、自分専用ページと二人用ページを分けて管理できるのが特徴です。デート代など共有したい支出だけを選んで共有でき、立て替え額も可視化されます。基本機能は無料で使えます。
【20代後半】自分ばかり多く払っている気がしてモヤモヤするが、切り出すのが気まずい。
この手のモヤモヤは、「アプリ入れてみない?」という一言で、お金の話ではなく道具の話に変換できます。 切り出しやすさという意味でも、アプリは有効です。
無理なくデート代を抑える工夫
最後に、負担を減らしながら関係を保つ方法をまとめます。
予算を先に決めて「その中で楽しむ」
金額を後から数えるのではなく、先に月の予算を決めてしまうのが基本です。月2万円と決めれば、1回5,000円で月4回、あるいは1回1万円で月2回という設計ができます。
先の調査でも、頻繁に会うカップルほど1回あたりは低額でした。単価を下げて回数を保つほうが、会えない期間を作るより関係には良い影響を与えます。
月の前半で使いすぎたら、後半は家で映画を観るなど低予算プランに切り替える。この調整ができるだけで、負担感はかなり変わります。
お金をかけないデートの選択肢
費用の6割超を占めるのは食事代です。つまり食事のグレードを1段階下げるだけで、全体は大きく下がります。
- ランチデートに切り替える(同じ店でも夜より安い)
- 公園や河川敷でのピクニック
- 美術館や動物園など入場料が安い施設
- 一緒に料理を作るお家デート
- 図書館や書店を回る散歩デート
大切なのは、節約していることを隠さないことです。「今月はちょっと控えめに、でも楽しいことしよう」と正直に言えるほうが、無理をして疲弊するより信頼されます。
実際、奢られる側も金額そのものより「一緒に過ごす時間」を重視している人が多くいます。高い店に連れて行くことより、相手が心地よく過ごせる時間を用意することのほうが、ずっと記憶に残ります。
まとめ
デート代の平均は1回あたり12,491円、月では1万〜3万円が中心。これが現在の相場です。年代による差は思ったほど大きくなく、学生から社会人になるときの変化のほうが大きいという点も押さえておきましょう。
支払い方は、男性が多めに出すケースが依然として多数派ですが、男性の6割近くは本音では割り勘を望んでいます。女性側も半数が割り勘を選んでおり、「男が全部出すべき」という前提は、もはや双方の実感とずれています。
大切なのは、その場の空気で毎回判断しないこと。予算・分担・特別な日の扱いを事前に決めておけば、レジ前の気まずさはほぼ消えます。共同財布や精算アプリを使えば、切り出しにくいお金の話も道具の話に置き換えられます。
そして何より、無理をして頻度を減らすくらいなら、金額を下げて会う回数を保つほうがいい。お金の使い方を一緒に決められる関係は、それ自体が信頼の証です。会計は、二人の関係を試す場ではなく、育てる場にできます。
